河口湖を訪れる観光客は年間九十万人ともいわれている。しかし、河口湖で富士山が見える日は一
年のうちで約百日、本物の富士山には及ばないが、富士山が顔を出さない臼の観光客のためにせめて
絵でも、と美術館では富士山の絵を常設するコーナーを設けている。洋画、日本画、版画、写真など
いろいろな富士山が見られる美術館である。
館長の足立さんは、神奈川県立鎌倉近代美術館長歴二十年という、美術館づくりではベテランだが、
美術品の収集に当たっては京都国立近代美術館長をはじめ、神奈川県立美術館長、静岡県立美術館長、
山梨県立美術館長、世田谷区立世田谷美術館長の五人の意見を聞く委員会的なものを持っている。
購入予算もままならない小さな町の美術館なので、多くの意見を参考に、慎重に館蔵品を揃えてい
きたいと館長は考えている。